「私が見た未来 完全版」(たつき諒)は、1999年に刊行された短編集『私が見た未来』に、作者が夢日記に記録した予知夢を解説・収録し大幅に加筆・再構成した、2021年10月発売の“完全版”です。
「私が見た未来 完全版」
📚 基本情報
著者:たつき諒(1954年〜、神奈川県出身、1999年に漫画家を引退)
出版社:飛鳥新社(2021年10月2日発売)
判型/ページ数:A5サイズ/約216ページ、ソフトカバー
📚 内容と構成
🔵オリジナル短編漫画集
「収録漫画リスト」
・私が見た未来
・夢のメッセージ
・縁の先
・ちいさなカラの中
・浮遊霊
・地下街
・冥界の壁
・もうひとりの自分
・闇の中へ …
・そんな馬鹿な
・雨月物語
🔵雑誌『ほんとにあった怖い話』『恐怖体験』掲載の短編/怪談ミステリーを収録。
🔵「夢日記&予知夢解説」
1985〜90年代の「夢日記」を初公開。なぜノートを始めたか、当時の精神状態がリアルに語られています。
表紙に「大災害は2011年3月」と記されて話題に。これは「1999年7月1日」刊行時に夢で見た文字をそのまま描いたもの。13/15の夢が“的中”とされるが、著者本人は予知を意図していなかったと述べています。
「私が見た未来 完全版」たつき諒さん(著者)
「私が見た未来 完全版」は、2025年5月時点で国内累計発行部数が100万部(電子版含む)を突破し、社会現象ともいえる大ヒットとなっています。本は2021年10月に復刻発売以来、国内だけでなく、中国・台湾・香港・韓国など東アジアでも出版・話題となりました。
🧩 エピソードと特徴
たつき諒さんはネットをほとんど使わず、元々は図書館などで調査するタイプ。完全版出版時も、テレビ番組で自作が取り上げられて初めて広く知られるようになったといいます。
『完全版』は2025年5月時点で累計100万部突破の大成功。
たつき諒さんは70歳のベテラン漫画家で、1975年にデビュー、1999年に引退しましたが、夢日記をもとにした“予言漫画”で再び注目されています。完全版後記では、夢の「予知」は“警告”としての意味を持ち、「防ぐために見える」という信念が語られています。
2025年7月に来るとされた“大災難”の夢は、フィリピン海の地盤隆起→巨大津波という描写で、多くの読者に強い印象を残しました。
「予知」というより「警告」の側面が強く、防災意識の向上を目的に作品を届けたいという作家姿勢がうかがえます。
たつき諒さんの「私が見た未来 完全版」は本当に興味深い作品で、夢と現実、防災意識や精神世界が交差するユニークな作品です。
「私が見た未来 完全版」収録の「夢日記」公開内容
「夢日記&予知夢」内容
・なぜ夢日記を書き始めたのか
・表紙に描いた予知夢の真相
・漫画家を辞めた理由
・インド旅行が大きな転換点になった
・漫画の中に描いた大津波は2011年3月のことではない
・2025年7月に起こること
・大津波の後に訪れる新たな世界 …etc
・新たな予知夢(2021年以降)
📓 夢日記&予知夢の解説内容
● 夢日記の初公開
著者が1985年から記録してきた夢日記が本書で初めて全文公開されました。
なぜ夢を記録し始めたのか、精神状態や漫画家を辞めた理由、インド旅行が人生に与えた影響も詳しく語られています。
● 「2011年3月」の表紙に込めた意味
1999年のオリジナル版で「大災害は2011年3月」と記された表紙は、実は東日本大震災とは直接リンクしない別の夢だったと本人が解説しています。
あくまで夢の中で見たイメージであり、季節感や規模から推察したもので、解釈は読者に委ねるものとされています。
● 「富士山大噴火」の夢
1991年・2002年・2005年と、富士山の大噴火を繰り返し見る夢を記録。
噴火の背景や夢に込めた象徴的な意味(地殻変動・社会変化など)も解説されています。
● 2025年7月5日 午前4時18分の予知夢
最も話題を呼んでいるこちらの予知夢は、完全版で詳細に公開されています。
夢の中で「地球を上から見下ろす視点」から、フィリピンと日本の中間の海底が「ボコっと」隆起する様子を視認。
そこから四方に巨大な津波が広がり、太平洋周辺国に壊滅的な被害をもたらすというヴィジョンです。
津波の規模は東日本大震災の三倍程度とも語られており、「海底火山噴火」「巨大地震」の可能性が示唆されていますが、著者自身は「異星人による攻撃」と読む識者もいると紹介しています。
この夢は2021年7月5日午前にはじまった夢日記だと本人も明言しています。
🔍 その他の夢にまつわる逸話
完全版には、更に以下の興味深い夢エピソードも含まれています。
1976年・1986年:フレディ・マーキュリーの死を予知した夢。1991年11月24日の死と一致。
1989年:洞窟内にいた女性の夢 → 実際にあり得た被害者の顔と一致。
1992年:「DIANNA」という声と女性の肖像 → 1997年ダイアナ妃の死とリンク。
1995年:巨大な亀裂や女性のメッセージ → 後に2025年の大災害に関するヴィジョンへと結びつく。
複数年:1995年、1998年にも、死期を告げるような夢や白い服に関する幻想を見るなど、予兆的な夢が多数記録されています。
💭 夢解説で語られる深い背景
夢日記を書く動機や敗北感、スピリチュアルな世界観と現実との関連性、そして「心を軽く」というメッセージが通底しています。
🎴 夢エピソードは、歴史的事件(プリンス忌・ダイアナ妃死)から未確認の自然災害予兆まで、多岐にわたり記録されています。
🤔 「予知」かどうかを超えて、夢から得たメッセージをどう受け止めるかを読者に委ね、心や防災の在り方も問う構成です。
🌊 特に、2025年7月5日午前4時18分の大災害予言は、地殻変動や異常現象といった具体描写が多数あり、リアリティある夢描写として読者に衝撃を与えています。
夢を「予言」として捉えるよりも「警告」として受け取るべきであり、実際の備えや防災意識を高める契機にしたいとの思いが込められています。
社会的な反響
本書は初版本が絶版・中古価格が10万円〜50万円に達していたこともあり、完全版は大きな関心を集めました。
2025年5月には累計発行部数が100万部を突破。
“7月2025年の巨大津波予言”が再び話題になり、海外メディアでも報道され、観光客の訪日スケジュールにも影響が出たと言われています。
評価・読者の声
「予言漫画」としてのミステリアスさに惹かれて読む人がいる一方で、防災意識の重要性を再確認する契機となっている、という見方もあります。
一部では予言の信憑性を疑問視する声もありますが、著者自身は「予知=警告」であり、「避けることができるから見るのだ」と語っています。
✅ まとめ
「完全版」の魅力は、
①絶版となりプレミア価格だった初版本を定価で入手できる点
②夢日記全文と夢解説を含む点
③新たに“2025年7月の予知夢”が追加された点です。
ただの怪談本ではなく、“夢”を通した心理や著者の体験がリアルに描かれており、ホラー・怪奇ジャンルと精神世界への興味、そして防災意識を同時にくすぐる一冊です。
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