2025年3月のリモートワーク実施率は前年同様の17%となっています。
実は在宅勤務が引き金となる不調が世界的に問題視されています。
快適さの裏に潜む“落とし穴”を意識して、環境と習慣を少しずつ整えることが大切です。
「在宅勤務うつ」「Zoom疲れ」「テレワーク症候群」
これは在宅勤務特有のストレスや不調を表す新しい言葉です。
働き方が変わった現代ならではの問題ともいえます。
以下に詳しく説明します。
在宅勤務に潜む「新型ストレス症状」
1. 在宅勤務うつ(テレワークうつ)
「在宅勤務うつとは?」
在宅勤務によって、孤独感・無力感・やりがい喪失などが生まれ、
うつ状態に近いメンタル不調が起こること。
◆ 主な原因
・仕事の成・果が見えにくい
・人との接点が激減(雑談・励ましなどがない)
・生活リズムの乱れと運動不足
・仕事とプライベートの境界が曖昧
◆ よくある症状
・朝起きるのがつらい/眠れない
・集中できない/やる気が出ない
・疲れているのに休めない
・不安感・イライラ・孤独感
2. Zoom疲れ(Zoom Fatigue)
「Zoom疲れとは?」
ZoomやTeamsなどのビデオ会議ツールを使いすぎることで起こる
心身の疲労やストレス。
◆ 主な原因
・画面越しに相手の反応を読み取る負荷が大きい
・自分の映像が常に映っていて気を遣う(見た目疲れ)
・会話のテンポがつかみにくく、無言が気まずい
・相手の話を聞く集中力が続かない
◆ よくある症状
・会議後にドッと疲れる
・頭がぼんやりする・目や肩が重い
・「また会議か…」というプレッシャー感
・表情や声を常に気にしてしまい緊張が続く
3. テレワーク症候群
「テレワーク症候群とは?」
在宅勤務の生活環境の変化に起因する心身のさまざまな不調を
包括的に指す言葉です。
医学的な正式名称ではありませんが、メディアや専門家の間で
使われています。
◆ 主な症状例
・肩こり・腰痛・眼精疲労
・頭痛・めまい・便秘・不眠
・孤独感・倦怠感・集中力低下
・肥満・運動不足・食生活の乱れ
◆ 背景要因
・不適切な作業環境(机・椅子・照明)
・1日中同じ姿勢で動かない
・ストレス発散の場が少ない
・長時間モニターに向かう生活
🔸ワンポイントアドバイス
誰かと話す(チャットでもOK)、仕事量を調整、深呼吸・瞑想
🔴Zoom疲れ
カメラOFF許可/1日3回以上の会議は避ける/合間に目の体操
🔴身体の不調
姿勢改善/1時間ごとに立ち上がる/お風呂でリカバリー
なぜ在宅勤務で体調を崩すのか?
在宅勤務は一見「通勤がない」「自分のペースで働ける」
など快適そうに見えますが、実は体調を崩す要因が多く潜んでいます。
以下に主な理由とその背景を詳しく解説します。
1. 運動不足通勤やオフィス内の移動がなくなり、1日中ほとんど動かないことも。
血流が悪くなり、肩こり・腰痛・むくみ・冷え性の原因に。
2. 姿勢の悪さ・環境の不備
ソファや床など、デスクワークに適さない場所で長時間作業。
PC画面の高さや椅子のサポートが不十分で、猫背・首痛・腰痛が悪化。
3. 生活リズムの乱れ
通勤時間がない分、起床・就寝が不規則に。
ダラダラ働く → 食事時間や入浴タイミングがズレる → 自律神経が乱れる。
4. 精神的ストレス・孤独感
人との会話や雑談が激減。
孤独感・疎外感が蓄積し、メンタル不調やうつ症状の引き金に。
5. オン・オフの切り替えができない
「仕事と私生活」の境界が曖昧になり、常に気が張ってしまう。
結果、慢性的な疲労感・集中力低下・燃え尽き(バーンアウト)に。
6. 日光不足・ビタミンD欠乏
外出の機会が激減 → 太陽の光を浴びる時間が足りない。
ビタミンD不足は、免疫低下・うつ傾向・骨の健康にも影響。
7. 食生活の乱れ
冷凍食品・デリバリー・間食が増える。
栄養バランスの偏りが体調に直結。
🔸 どうすれば改善できる?
毎日ストレッチや散歩
立って作業する時間を設ける
●姿勢の悪さ
デスク・椅子
モニター環境を整える(在宅用グッズ活用)
●生活リズム
起床・就寝時間
食事時間を「通勤していた頃」と同じに
●メンタル不調
定期的に家族や友人と連絡
オンライン雑談を取り入れる
●日光不足
朝はカーテンを開けて自然光を浴びる
ベランダに出る
●食生活
自炊や健康的な冷凍食品を選び
間食は控えめに
🧘♀️在宅勤務でも体調を崩さないための「1日の健康ルーティン」
🔹 朝のルーティン(7:00〜9:00)
2 軽くストレッチ or 散歩5〜10分 血流アップ、頭もスッキリ
3 朝食はしっかり(糖質+たんぱく質) 集中力・代謝UPにつながる
4 着替えて身だしなみを整える 気分の切り替えで集中力が向上
🔸 午前の勤務(9:00〜12:00)
2 45〜60分ごとに席を立つ(立って会議もOK) エコノミー症候群防止、集中力維持
3 こまめに水分補給(コーヒーより水・白湯) 脱水防止、脳疲労も防ぐ
🔸 昼のルーティン(12:00〜13:00)
2 食後は10分だけ外を歩く 消化促進+気分転換+日光浴効果
3 軽く深呼吸・目を閉じる時間を 自律神経をリセットして疲労回復
🔸 午後の勤務(13:00〜18:00)
2 集中タイムと雑談タイムを分ける メリハリを持たせる
2 夕方には再び立って作業 or ストレッチ 疲れがたまる時間帯のケアに有効
🔹 夜のルーティン(18:00〜22:30)
2 夕食は胃にやさしいもの+就寝2時間前までに 睡眠の質が上がる
3 ぬるめのお風呂でリラックス 副交感神経が優位に/ぐっすり眠れる
4 就寝1時間前はスマホやPCを見ない メラトニンの分泌を妨げないように
✅ 在宅勤務者の健康チェックリスト(毎週確認)
□ 食事は3食、バランスよく取れているか?
□ 夜にぐっすり眠れているか(7時間以上)?
□ 人と声を出して会話しているか?
□ 休日をちゃんと「休んで」いるか?
□ 疲れているとき、自分にやさしくできているか?
ポイントは、「ちょっとだけ意識して整える」こと。
すべて完璧にやろうとしなくてOKです。1つでも意識すれば、体と心がラクになりますよ。
最後に
これらの不調は「がんばりすぎる人ほど陥りやすい」のが特徴です。
「こんなに疲れるのは自分だけじゃない」と気づくだけでも、少し心がラクになります。
在宅勤務はうまく付き合えば、とても快適で健康的な働き方になりますので、
ぜひご自身のペースで調整していってくださいね。
心と体を大切に、快適に過ごせる方法を手に入れましょう。
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